Water Warriors Waterlord

ウオーターウオーリアーズ　ウオーターロード

日本では、中々お目に掛かれない3Lをかるく超えるタンクを持つ水鉄砲。

この水鉄砲、実は革新的なシステムで成り立っています。

この黒い半球状の部分がまさにそれ。実はここに弾性を持ったダイヤフラムが装着されているのです。箱にもある『CONSTANT PRESSURE』というシステムがそれ。実はこの技術、実は根が深いのです。ちょっと長くなります。

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自分達の開発した技術が裁判で…

『アメリカ水鉄砲業界の暗い過去』で紹介したとおり、Larami社は苦難の末に『Super Soaker』で大ヒットしました。しかしその後、大多数社員の意に反しHasbro社に吸収合併される事になります。

その後に『Super Soaker』と言うブランドを7年間共に製造した後に奪われ、水タンクとは別に内蔵された圧力室の作用で水を強力に発射する、ロニー・ ジョンソンと共に開発した俗に言われる『CPS』を内蔵した水鉄砲も奪われました。

Hasbro社はLarami社の会社規模をそのまま合併したのでは無く、会社の持つパテントや様々な権利を中心に併合、吸収しました。解雇された社員も多くいました。

Hasbro社にも技術者がいたために、Larami社の技術者は旧Larami社社屋に別の会社を自ら作り上げ、同じ業界で勝負することになりました。

この会社こそ、この水鉄砲を作ったBuzz Bee Toys社です。

その後旧Larami社の技術者はこの『CPS』とは別に、弾性をもったダイヤフラムを使用した水鉄砲の特許をHasbro社との『Super Soaker』の併売が終わった2003年に申請します。
『diaphragm』とは隔膜などの意味です。

CPSの特許（使用許可）をLarami社買収で得たHasbro社は、しばらくは2003年から2010年までBuzz Bee Toys社による、このダイヤフラム内蔵水鉄砲の販売を静観していましたが、2010年に特許侵害で裁判をおこします。

法廷で争った結果、金銭的な賠償ではなく、Hasbro社の持っている特許が切れる2015年まで製造販売が差し止められました。ものすごいバランスがとれた判決のように思えます。

その2015年に作られたのがこの水鉄砲、今年はいよいよ手に入れました。

そんな過去を持った水鉄砲の名前が『Waterlord』です。

『技術は嘘をつかないっ！』（by 下町ロケット）『おれたちの水鉄砲愛は、誰も止められねぇぜ』（ロック調）そんな声が聞こえてきます。

もう、ロックや演歌の世界です。

さて、Waterlordの生い立ちだけでここまで来てしましました。所長の思い入れも解って頂けると思います。

いろいろと考えながらしみじみとタンクに水を入れていると、それを見ていたエージェントEは不思議な顔をしながらも『でかっ！』の一言。雰囲気を感じながら余計な突っ込みを入れないところが、エージェント育成のたまものです。

子供に満水でのこの体制は無理です。
よい子の皆さんはまねをしないように。
５キロを軽く超えます。

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感じた事ない発射感覚！

水を入れてポンピングしていると、どこからとも無くまるで赤ちゃんの笑い声が…

赤ちゃんずれのお母さんも、赤ちゃんも振り返っても何処にもいません。

ポンピングすると聞こえてくるようです。
しばらくして原因が判明。
タンクのキャップからするらしい。

よく見ると減圧用の穴があります。
ここから漏れてくる模様です。

それにしても早い。少しポンピングをするとすぐ聞こえてくる。ダイアフラムからのオーバーフローが水のタンクに運ばれて、給水を手助け。またそのオーバーフローが減圧機能付きのキャップから漏れてくる。これこそダイアフラム加圧式水鉄砲なのでしょう。外観からもそのパイピングが解ります。

それにしてもポンピングするレバーががっかりするほど強度がない。この辺もう少し大事に作って欲しかった。ダイヤフラムに加圧するときは、普通の加圧式水鉄砲より軽い力であっという間に発射できる状態になるので、それほど強度が必要が無いという判断なのであろうか…　でもここが壊れるどうにもなりません。

出口は３種類あります。N1、N5、N9と出口の穴の数がそのまま呼び名になっているとおり3種類あります。

発射すると、太い水が遠くまで飛びます。大してポンピングしていないのに結構飛ぶ。距離は12.3mと加圧式の中ではトップクラス。どの出口でもほぼ同じです。それに長い時間発射出来ます。この感覚は普通の加圧式水鉄砲で得られません。さすがダイヤフラム内蔵水鉄砲！

今回表示飛距離の12.7mに及ばなかったのはちょっと残念ですが、なにぶんお天気に左右されるので仕方のないところか。

水タンクの容量も十分あるので、他の水鉄砲の給水も簡単に行えます。

長時間戦うには、最強の水鉄砲でしょう。だだウチのエージェントにはちょっと重過ぎかな。

本体、ポンプシャフト、タンク、引き金:ABS　発射口:PE 　パイプ、パッキン:PVC