離島の海士町、今人気の島です
今話題の島は島根県隠岐郡の海士町です。隠岐諸島の島前三島、中ノ島にあります。
2016年の安倍総理の所信表明演説で紹介されたほど有名になった海士町は、国主導で行われた日本各地で合併に参加せず、独立して存続する方針を決めたものの、2004年は破綻寸前でした。
国への債務は101億5000万円を越え、人口は1950年の五千人の約半分まで減り5人に2人が高齢者となって町の再建が急務となりました。
思い切った給与削減が住民に覚悟を決断させた
そこで山内町長は、1期目から自分の給与を30パーセント削減、その後50パーセントまで削減しました。職員も30パーセント〜16パーセントを給与を削減しました。その後、歳出を年間2億円削減し国からの債務を30パーセント削減する事に成功しました。
しかし、この島の覚悟はそれだけではありませんでした。税収を上げる為にまず新規の事業を立ち上げ、移住者を募集しました。
独立できる漁業移住者
漁業は他の島では雇用という形で、移住者を受けいるのに対し海士町では半年後に5万円で漁業権を与えて独立させるなど違った形で移住者を受入れています。
最新設備に支えられた販路開拓
『ふるさと海士』は超音波を加えながら冷凍する最新のCAS冷凍システムを導入。そのままでは鮮度が落ちてしまい、販路が島内など近隣に限られていまう為でした。5億ほどの投資でしたが、そのおかげで国内だけでなく上海、ドバイ、米国まで海産物の販路を広げることに成功しました。
また、町で育てる牛のブランド化に成功、『壱岐牛』として有名になり日本各地に販路を広げています。塩の精製工場も作り『海士乃塩』として販売、フレーバーを加えた山椒塩、飛魚塩、鰹節塩、唐辛子塩、ハイビスカス塩なども販売。どちらも『ふるさと海士』でも販売され、相乗効果でどちらも売り上げを伸ばしています。
『島留学』で高校運営を転換
教育でも廃校寸前だった壱岐島前高等学校を存続させる為に、『島留学』として島外からの生徒を受け入れるために寮を設立しました。
寮費は食費も合わせると約4万円前後とかかりますが、塾に行かなくて済み集中して勉強できるという環境は魅力です。
全校生徒約100人という個別指導が可能な規模を活かして進学コースも設立、有名校への進学も可能にしました。
今では高等学校も島でのウリになっています。